「片付けたい、でもお金がない」。この二重の苦しみはゴミ屋敷の当事者の心を容赦なく蝕んでいきます。目の前のゴミの山という物理的な絶望とそれを解決する術がないという経済的な絶望。この出口の見えない閉塞感の中で人はやがて思考を停止させ「もうどうでもいいや」と全てを投げ出してしまいがちです。もしあなたが今そんな心が折れそうな状況にいるのならどうか思い出してください。あなたが失ってしまったのはお金や部屋のきれいさだけではありません。本当に失いかけているのは「自分自身の尊厳」と「未来への希望」なのです。そしてそれらは決してお金がなければ取り戻せないというものではありません。心が完全に折れてしまう前に試してほしいことがいくつかあります。まず「誰か一人に話す」ことです。それは友人でも家族でもあるいは電話の向こうの相談員でも構いません。「辛いんだ」「苦しいんだ」「助けてほしい」。その自分の弱さを言葉にして誰かに伝える。それだけで一人で全てを背負い込んでいた心の重荷は少しだけ軽くなります。「自分は一人じゃないんだ」と感じることができます。次に「完璧を目指すのをやめる」ことです。部屋全体をきれいにすることなど考えなくていいのです。今日の目標はただ「ゴミ袋一枚分だけゴミを拾う」。それだけで十分です。そしてそれができたら心から自分を褒めてあげてください。「よくやったね」と。このほんのささやかな成功体験が失いかけた自己肯定感を少しだけ回復させてくれます。お金がないという現実はすぐには変わりません。しかしあなたの心はあなたの考え方一つで変えることができます。今は部屋を片付けることよりもあなた自身の傷つき疲れ果てた心を労わることを最優先してください。心が少しでも元気になれば必ず次の一歩を踏み出す力が湧いてくるはずです。
お金がない!ゴミ屋敷で心が折れそうな時