ゴミ屋敷から発見された骨董品は、その状態や品物によって買取価格が大きく変動します。一概に相場を語ることは難しいですが、いくつかのポイントを押さえることで、高価買取に繋がる可能性を高めることができます。まず、最も重要なのは「保存状態」です。たとえ貴重な骨董品であっても、カビや虫食い、欠けやヒビ、深い傷などがある場合、その価値は大きく下がってしまいます。しかし、ゴミ屋敷の場合、長年の放置により状態が悪化しているケースが少なくありません。だからこそ、無理に自分で修復しようとせず、現状のまま専門家に見せることが大切です。誤った手入れは、かえって品物の価値を損ねてしまうことがあります。次に、「希少性」と「人気」が買取価格を左右する大きな要素です。同じ時代の同じような品物でも、現存数が少ないものや、特定のコレクターから高い需要があるものは、高値で取引される傾向にあります。例えば、有名な作家の作品や、歴史的に重要な意味を持つ品、あるいは特定の地域でしか作られていない珍しい品などは、高価買取が期待できます。骨董品の中には、流行によって一時的に価格が高騰するものもありますが、基本的には普遍的な価値を持つものが安定して高値で取引されます。また、「鑑定書」や「来歴を示す書類」も買取価格に大きく影響します。特に高額な骨董品の場合、これらの書類があることで、その品の真贋や由緒が保証され、安心して取引できるため、査定額も高くなる傾向があります。もし、ゴミ屋敷の中から骨董品らしきものと一緒に古い書類や箱が見つかった場合は、決して捨てずに保管しておくべきでしょう。これらのポイントを踏まえた上で、高価買取を目指すには、やはり複数の骨董品買取業者に査定を依頼し、比較検討することが不可欠です。業者によって得意なジャンルや査定基準が異なるため、一社だけの査定で決めてしまうのは非常にもったいないことです。また、出張査定を利用することで、大量の品物や持ち運びが難しい品物でも気軽に査定してもらうことができます。ゴミ屋敷の片付けは大変な作業ですが、そこに眠る骨董品が予想外の高値で売却できれば、その労力も報われることでしょう。そして、そうした品々が新たな持ち主のもとで大切にされることは、遺品整理の一つの理想的な形であると言えます。